2006年9月のメニュー
 今月のテーマは「実りの秋の味覚メニュー」。 暑い夏も終わり、疲れた体と心を回復させる
ためのメニューを考えていたら、北フランス地方色の濃い内容になりました。
 日毎寒くなるこれからの季節の料理に想いをはせると、フランスでも寒冷地の料理が浮かんで
くるのは必然のことかもしれません。
 フランス一の海産物の宝庫、ブルターニュ。全長1200kmに及ぶ複雑なリアス式の海岸線は、
いたるところで天然の良港に恵まれ、そこから大西洋はもとより、遠く北海からの新鮮で豊かな
海の幸が続々と水揚げされ、その魚介類がこの地方の料理文化を大きく特徴づけています。
 隣接するノルマンディーも同様に、海産物の他、良質の肉やチーズ、バター、生クリーム、た
わわに実る野菜や果物…。北の海ばかりではなく、フランスきっての酪農地帯としても有名です。
 今月の「サロンドルイーズ」では、そんな豊富な食材と料理を湛える北フランスの料理で
たっぷりと「実りの秋」を楽しみましょう。 

MENU

Bisque de Crustaces
ビスク(甲殻類のポタージュ)

 ビスクとは、ブルターニュ地方のビスク湾から由来した名とも言われ、エビ、カニなどを殻ごとつぶして香味
野菜と一緒に炒め、白ワイン、ブイヨンなどで煮込んで漉したものに、生クリームなどを加えて仕上げたポター
ジュのことです。

 ビスクは応用範囲も広く、魚介料理ではお馴染みの、アメリカンソースにも派生しますし、また、様々な魚介の
煮込みのベースにしたり、卵と合わせて蒸し上げフランにするなど、一度作っておくと色々な魚介料理に活用
できて、とても便利です。

 また嬉しいことに栄養価も高く、タンパク質とミネラルや、アミノ酸のひとつ「タウリン」が豊富に含まれています。
「タウリン」は、疲労回復、肝機能の強化、コレステロール値や血圧の降下に効果があり、夏バテ気味の体には
特におすすめの成分です。

 そして、普段の食生活で不足しがちな「オメガ3系列」の不飽和脂肪酸「EPA」と「DHA」も含まれています。
これらは、ともに魚油に多く含まれる必須脂肪酸で、「血液をサラサラにする」「悪玉コレステロールを減らす」
「脳や神経の機能を高める」などの働きで近年注目を集めています。

 また、女性には心強い、ベータカロチンの約100倍、ビタミンEの約1000倍ともいわれている、「アスタキサン
チン」の強い抗酸化作用が確認され、その成分は様々な美肌用品に活用されています。

 これからの季節、香り高い甲殻類の凝縮したコクと味わいで、栄養価も高く、美容と健康にも良い「ビスク」は
身も心も豊かにしてくれることうけあいです。



Caneton a la Rouennaise
鴨のルーアン風(応用ジビエソースの作り方も…)

  今回のメイン料理は、秋冬の肉料理の醍醐味、ジビエ(野鳥、野獣)用のソース作りを取り上げてみました。

 ご家庭では、ほとんど作る機会はないと思いますが、「こんな作り方をするんだぁ・・」というくらいの気持ちで取り
組んで頂けたらと思います。ルアネーズ、シヴェ、サンテュベール・・・など、赤ワインをたっぷりと使い、血や、レ
バー、フォワグラなどを用いて仕上げる味は、これからの季節、グルメたち垂涎の一皿です。

 皆さんよくご存知の、フランス料理の名店「トゥールダルジャン」の<鴨の血入りソース>などは、エトフェ(窒息)
させた鴨のエキスを、余すところなく引き出した代表格かも知れません。(鴨肉は野性ではないのですが・)

 料理名や説明をきくと、ご婦人方にはちょっと敬遠されるかもしれませんね・・でも、そこは「サロンドルイーズ」。
ご家庭でまるっきり出来ないというのでは本意ではありません。 野鴨、鹿、鳩、野兎・・・等を使えばベストですが、
赤身の肉なら応用が利くようにしっかりとアレンジしてあります。

 知って頂きたいのは、ワインの使い方、ソースの「コク」の出し方・・・等々、・・・そしてフランス料理の醍醐味!

 今回のルーアン風は、本来ならフランス・ルーアン産の鴨を使うのですが、手に入りやすい鴨肉で結構です。
作りながら様々な説明をしますが、何よりも、ソースの味をしっかりと覚えて、幅広く料理に応用させて下さい。  





Aumoniere de pomme avec Sorbet au lait
リンゴの温製クレープ包み
牛乳のシャーベット添え

今月は、北フランスの風土、味覚満載のデザートです。この地域はブドウの栽培が不可能な為、ワインを産出
できないこの地方で代わりに栽培されているのが、寒冷地に適したリンゴ。 そのリンゴから、発泡酒のシードル、
蒸留酒のカルヴァドスが作られ、料理とともに饗されるのはもちろん、料理にも使われて、独特の甘酸っぱい風味
が楽しめます。 (ワインは、一部ブルターニュ南部でミュスカデワインを産出) 

 リンゴのお菓子も数多くあり、タルトTarte 、ブルドロ、ポム・オー・フー、 クレープ、フォンダン、ヴェルジェ・ノルマン、
ガーシュ、オムレツ・・等々、スゥイーツ党にはたまりませんね。

 今回はそんなリンゴを香ばしく焼き上げ、ナッツやレーズン、マロン等と、ブルターニュ名物のクレープで包んだ
温製デザートに仕立ててみました。温かい一品に添えるのは、冷たい牛乳のシャーベット。

 フランスでも特に酪農が盛んな北フランス。有名なチーズやバターを数多く産出するこの地域ですから、牛乳を
使うのは至極当然。 一皿の中に北フランスがたっぷり詰まったデザート。 文化と風土を味わって下さい。




2006年9月のお料理教室
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